サプリは食べ物のかわりにはなりません。
理想的な健康状態や美しさをなるべく簡単に勝ち取りたいと願う人たちにとって、栄養素を固めたサプリメントは「最新鋭の理想食」のように魅力的なものとして映るようです。しかし、サプリは良質なリアルフードの代替にはなりえません。
まるごとのリアルフードを食べると、その食べ物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維、フィトケミカルなど、多くの栄養成分が体内で相乗的に効果を発揮することが確認されています。ですが、「ビタミンC」「カルシウム」など、単独の栄養しか含まないサプリでは、こうした相乗効果を期待することができないのです。
専門家による体のコンディションのチェックも受けずに、安価で人工的なサプリを摂ることはおすすめできません。サプリでひとつの栄養素を偏って多量に摂ることで、調和のとれた栄養素のバランスが崩れてしまい、結果的に健康に害を及ぼすおそれもあります。たとえば、カルシウムを摂りすぎると、体内のマグネシウムのバランスを崩してしまいます。また亜鉛が多すぎれば、体内の銅のバランスに悪影響をもたらします。
また、サプリに含まれる栄養素は、合成されて化学的につくられた結果、自然に存在するかたちとは異なる状態になっていることもあります。そうした物質は、体に異物として認識されるため、栄養素が体にうまく吸収されないのです。
そして、多くの研究によると、異なる食材を一緒に食べると、ひとつの食材だけ食べたときより体へのメリットが大きくなることがわかっています。これはもうひとつの相乗効果です。たとえば、トマトとブロッコリーを一緒に食べると、トマトのみ、またはブロッコリーのみを単独で食べた場合より、前立腺の腫瘍の成長が小さくなるという報告があります。さらに、トマトとブロッコリーの相乗効果は、抗がん剤を含む食事よりもがんの治療に貢献が大きかったというデータもあるのです。

リアルフードを食べること、それも、なるべく多くの種類のリアルフードをバランスよく食べることに勝る特効薬はいまのところない、と、多くの研究結果が示しています。科学がどれほど進歩しても、自然をだますことはできないのです。